「俺さ、美咲と喧嘩しちゃったっぽくて。どうしたらいい?」 教室が静かなだけあって、2人の声は聞きたくなくても聞こえてくる。 「しちゃったっぽいってなに?してないの?」 冬馬のホールドから抜け出した隼斗は隣の自分の席に座った。 「なんで怒ってんのかわかんないんだよね」 「そんなの知らねぇよ。とりあえず謝っとけ」 隼斗がいつものごとくテキトーにあしらい、ケータイをいじり出した。 多分前までだったら、あたしが話を聞いてあげたいとか思ったんだろうけど。 今は、そっとしておこうって思う。