あたしは勢いよく立ち上がり、ドアを開けた。 「隼斗、ありがと!」 「座ってろって言ったのに」と呆れたように隼斗が振り返った。 「がんばれ!!優勝だぁぁ」 保健室のドアから叫ぶと、「おう!」と手を挙げたのが見えた。 走って体育館へと向かった隼斗の背中から目が離せない。 最近こういうことが多い。 この感情の正体を、あたしは知ってる気がする。 休んでろって言われたけど、バレーの試合も気になるし。 隼斗の試合も、見たい。 あたしは足を引きずりながら、ゆっくり保健室を出た。