「よし、できた」 隼斗が立ち上がった。 「じゃあ俺は戻ろっかな。多分もう試合始まってると思うんだよね、決勝」 「え!早く行かなきゃじゃん!」 あたしはイスから降りようとしたが、隼 斗の手によって制止された。 「梨佳はもうちょっと休んでな」 隼斗が優しい笑顔で微笑んだ。 「俺が入るからには優勝しないとね」 いたずらっ子のような顔で言って、保健室を出て行った。