「これ懐かしくない?」
ケータイをいじっていた美月が、突然写真を見せてきた。
「あ、これ文化祭の時の!」
それは、文化祭の時に撮った写真。
写っているのは、仮装したあたしと美月と健吾。
「懐かしい〜!……ってかこの写真なんでこんな右に寄ってるの?」
3人で写った写真は、あたしの隣が広く空いていた。
「確かに。誰だっけ撮ったの」
美月はそう言って周りにいるクラスメイトを見渡す。
あたしが思い出さないといけないのは、写真を撮ってくれた人じゃない……
なぜか直感的にそう思った。
胸がうずく。
早く早くとなにかがあたしを急かしている。
かかっていた曲が終わり、あたしの好きなアーティストの歌が流れはじめた。
「あ、梨佳歌うぞ!」
美月にマイクを握りしめさせられ、引っ張られるがまま立ち上がった。
男子たちが盛り上げるから恥ずかしかったけど、結局2人で熱唱してしまった。
1曲歌い終えるころにはさっきまで少なかった予約リストにたくさんの曲が並んでいた。

