「俺は消えることをわかってた上でここに来た。だから梨佳は自分のこと、責めないで……」 隼斗のだんだんと辛そうになってきた声を聞いて、胸が締め付けられたように痛んだ。 その瞬間、ひとつの疑問が浮かんだ。 でもこれがもし、本当に起きたら、次こそあたしは本当に立ち直れない。 あたしの冷え切った頬に一筋の温かいものがつたった。 そして、無意識で隼斗の手を握った。 「梨佳?」 隼斗が覗き込んできた。 そのキレイな瞳には、明らかに動揺が表れていた。