悪夢は続いた。
お父さんの荒れが収まることはなく、どんどん悪化していった。
みんながお父さんの逆鱗に触れぬよう静かに生活したが、日に日に小さなことでも怒るようになった。
ストレスを発散させるかのように、暴れ、物を壊し、被害は広がっていった。
そして、お母さんと、3つ下の弟、悠斗にも手を上げるようになった。
それを止めに入る隼斗にも怪我をさせ、もう手のつけようがなくなってきたころ。
────悠斗が自殺した。
それは悠斗が中学に入って間もない頃だった。
親からの虐待。
それによってできた心と体の傷。
クラスメイトからの好奇の視線。
先生からの同情の眼差し。
全てから耐えられなくなった悠斗は、誰にも、何も言わずに、マンションの屋上から飛び降りてしまった。
その後、悠斗の部屋から出てきた手紙に書いてあったのは、
『俺だけ逃げてごめん』
その一言だけだった。

