「梨佳、俺ね。明日消えるんだ──」
そう言った隼斗の声はあまりに透き通っていて、キレイで。
その黒く染まる背中から目を離せなくなった。
でも、何が起こっているのかは把握出来ない。
今、何て言った?
消える?
なに?それ。
「何の冗談?一緒に卒業するんでしょ?」
いつもみたいな冗談なんでしょ?
消える?
そんなことありえないじゃん。
だって、隼斗はここに存在してるんだもん。
あたしの目の前に、いるもん。
隼斗がゆっくりと振り返る。
その顔は、逆光で見えない。
───でも、わかる。
今、隼斗は哀しそうな顔をしている。
あたしが今まで感じてた違和感の答えが、目の前まで来ていた。
「ごめんね、梨佳。でもこれは最初から決まってたことなんだ───」
穏やかな声で、あたしの心に話しかけるように。
「───俺の話、聞いてくれる?」
そっとつぶやいた。

