そっけなく隼斗が答え、自分の席に着いた。
「まぁまぁ仲良くやろ〜よ!」
とか言いながら冬馬が机をくっつけてくる。
4人で向かいあい、勉強をはじめた。
あたしの右隣が隼斗、前が冬馬、その隣に美月。
正直勉強どころじゃない。
目の前に冬馬がいる。
ふと横を見ると隼斗が頭を抱えている。
そしてあることに気づいた。
「隼斗さ、高2の問題全く出来てないじゃん。ちゃんと授業受けてたの?」
隼斗が解けている問題は高1のものばかり。
1度、目を泳がせたかと思うと、昨日したみたいに八重歯を見せて笑った。
「受けてないよ?ほぼ寝てた〜」
「これ寝てたで済まされるレベルじゃないから」
「ね〜ね〜。なんで数学なのに英語がいっぱい出てくるの?もうむり〜〜。梨佳、ヘルプ!」
名前を呼ばれて、隼斗から冬馬のほうへ顔を向けた。
目の前にあったのは、冬馬の柔らかそうな茶色の髪。
「ねえ聞いてる?」
「あっ、ごめん」
自分の動きが止まっていたことに気づいた。
隣で隼斗と美月が笑ってる。
隼斗まで笑ってるよ。
あたし今絶対顔赤い。恥ずかしい。

