「なーに言ってるの麻衣子!
映画に感化されすぎだよぉ、

やっぱりそういうの憧れちゃうよね?
瀧くんかっこいいもんねっ!!」








本当に そうだろうか。

耳が鳴ったんだ、キィーン、って。今。

そしたら……

名前が聞こえて……








「麻衣子ってばぁあああ……」



「あっ……」




「さっきから変だよぉ、麻衣子ぉ……」




目の前にはまた美雪の顔。
明らかにぼうっとしていたらしい。








「もーう麻衣子、しっかりしてよ〜っ…」




周りを見れば人は既にシアターからいなくなっていた。




「ね?はやく出よ?麻衣子。」


服を引っ張られ、歩き出す。












「はーもう超良かったよな!『君の名は。』!」

「マジでそれ。良すぎだわ」

「みつは、胸でけぇーー!」

「いやお前真顔でキモイから!」









同じ時間に見てたんだろうか。




同い年くらいの、
すんごい髪色した、派手な、
でも顔は整った男の子達。









目が合う。



















「「え……」」














重なる、重なった……。
音が、声が、重なった。
















「何ぼーっとしてんだよ怜央!もう行くぞ!マーックドナールド〜〜っ」



「もーう、麻衣子?!いい加減に目を覚まして!」
















「うん、ごめん美雪 次どこ行く?」

「はぁもう……しっかたないなぁ!
うーん……香水選び手伝ってよっ」

にこっと笑う美雪に、
手を引かれ 私は歩いた。















『麻衣子ちゃん……』
















『怜央くん……?』




























『……_______。』