「うーん...ソーダアイスかな、」




勢い良く地面を蹴ってブランコを漕ぎだす。風が汗を冷やして気持ちがいい。




「え、なにそれ、ばかなの、」





ぷ、と吹き出した夏芽は、食べ終わったであろうアイスの棒をつまんで、足をゆらゆら、させた。






「てか、それどっちかってと今食べたいものでしょ、」





「バレたか」





ぺろ、といたずらっ子の様に舌を出すと、可愛いくないぞ、と小声で指摘された。失礼な。





「そーゆーお前は?」





漕ぐのを中断すると、揺れがどんどん小さくなっていく。





会話をしようと思い、足をぴたりと止めて、ブランコが止まるまでしばしゆるい揺れに浸る。





「うーん...わたしはねぇ、そうちゃんちのチョコケーキかな!」