「明日死ぬなら、何食べたい?」





きーこきーこ。あっつい鉄の持ち手に、冷たい口の中のアイス。





近所の公園、夏休みの部活帰りに、幼なじみの会津夏芽(あいづ なつめ)がブランコを漕ぎながらそんなことを質問してきて。





思わずさっきまで口の中で溶かしていたアイスのハズレ棒を口からぽろり、しそうになった。





「...は?なに、突然」





まあ当然の質問。だってさっきまでおばーちゃんの家の飼い猫の話をしていて、突然話題変換してきたわけだし。





「ひーはらほはえへよー、」





口の中にまだアイスが残っているのか、篭った声で、いいから答えてよ、と急かしてきた。





...申し遅れたが俺の名前は夕立爽汰。高校1年生だ。