しょうねんはしょうじょに合わせて、ゆっくりと話してくれました。
それに手を引かれるように、しょうじょが語る言葉もなめらかにつむぎだされてゆきました。

まるでしょうねんが、しょうじょの中におしこめられていた言葉を引き出していくように。


しょうじょの話を聞いていたしょうねんは、すっかり本のおもしろさに夢中になっていました。



しょうねんはしょうじょの手を引いて立ち上がり、言いました。

『ねぇ、みんなにも見せてあげようよ!』