One and only agent

何とか逃げることができた。掃除用具入れを投げ、時間を稼いだからだ。
自分の教室の前に来た。すると、どこからかあの男の声がする。

「どこだ……」

どこにいるのか分からない。もし、鉢合わせしたら……
開きっぱなしの教室に入り、机からペンポーチとレターセットを取り出す。ペンポーチを投げたり、もったいないがレターセットを撒いて時間を稼ごう。
遺書も書けるかもしれないし。

声は近づいて来ている。だが、逃げればいい方向が分かった。
教室から出て、階段を降りる。このままいけば体育館に行ける!