この体制もきつくなってきた。早く捕まえてほしい。
他の奴らは油断して寝転がったりしている。もう、そうしてしまおうか……
足をのばしかけたが、隣からガラスが割れる音がし、静かに引っ込める。

「きゃー!」

「たすけてくれ!」

こっちからも悲鳴が上がる。机が動かされる音がする。
隣は年を取った先生で、犯人を捕まえられそうではない。

「こいつ、包丁持ってるぞ!」

血の気が引いた。

「ここにはいないってどういうことだ!?」

扉が開く音がする。そして、足音が近づいてくる。鼓動が早まり、頭が恐怖で埋め尽くされる。

嫌だ、死にたくない。こっちにくるな。

特殊な窓ガラスから見える影は立ち止まったあと、通り過ぎようとした。
ホッとして胸をなでおろす。


しかし、ガラスが割られる音がした。


「いた」

目を見開いた男が、包丁を持って窓から入って来た。