カバンを持って帰り始める坂尾にドリンクを渡す。

「これを……」

「すっごいしんどそうだけど大丈夫!?あと、二人分って……」

「お前の分もだ……」

体力には自信が無い。少し走っただけでも息が切れる。

「……ありがとう」

坂尾は二人で帰っていく。それを後ろから見守る。

「ありがとう、これうまいな!」

「私が作ったんじゃないけど……」

「じゃあ、持ってきてくれてありがとう。作ってくれた人にお礼言っといて」

今は六時、ランキングを見ると朝霧が上になっていた。まあ、仕方が無い。すぐに変えられる程度の差だから大丈夫だ。
二人とも楽しそうにしているな。手紙は使わなかったが、こういうのもいいかもしれない。