真実は珠利にメールを打つ。

｢カノジョか｣

爆弾ホストの美乱が小指を立て、笑顔を近づける。

｢ええ｣

真実は照れながら言う。

｢カノジョいるから、プレイヤー出来ないんだよね｣

梨王はにやつく。

｢別にカノジョな隠れてでもホストできるじゃん｣

冬理がハヤシライスをほうばりながら言う。

｢冬理は家で買ってる猫が恋人なんだろ｣

貴教(たかのり)が言う。

｢こいつ、猫好きで二匹も飼ってるぞ｣

梨王は言う。

｢猫がカノジョなら、客の前でいくら話してもいいよな、美乱｣

貴教は笑いながら、美乱を見る。

｢俺が極めてるのは他の客誘惑です｣

誇らしげに言う。

｢自慢するなよ｣

雨音は苦笑いになった。
「そういえば、美乱は爆弾と言ってもホストの悪口や彼女がいるとか裏情報を流したりとかはしないよな」

冬理が言うと、

「早く爆弾癖は直そうな」

梨王は注意した。

「美乱さんの爆弾っていつ直るんですかね」

真実が笑い事にすると、

「ピアニストは売上を気にしなくていいから、お気楽でいいよな」

貴教が言った。

「だったらおまえもピアニストになるか」

梨王が淡々と冗談を言うと、

「俺、ピアノは弾けないんで」

貴教は突っ込んだ。


真実は楽しい人たちだなって思った。