二人の関係の始まりはー

ピアノからだった。

珠利は小さい頃は鹿児島にいた。

その頃から音楽が大好きだった。

ピアノが好きで東京に転校してからはクラスメイトの涼夏にピアノを教えたりしていた。

真実も幼い頃からピアノの才能を発揮している。

ある日、珠利は涼夏たちで入院していたクラスメイトの愛美(あいみ)のお見舞いに行った。

そして、お見舞い行った先の近くの家で真実がピアノを弾いていた。

あまりにも美しい音色に珠利も涼夏も誘われ、側によって聴くことにした。

そのときから真実は珠利に恋に落ちた。

それから、偶然にも鹿児島の海辺で会ったとき、まだ小さいながらも、勇気を振り絞り珠利に告白した。


そして、数年後。

真実は留学から戻って来た頃。

銀座のバーに飲み行ったとき、そこで珠利がピアノを弾いていたところを真実が声をかけた。

真実自身、ピアノの生演奏が聴ける店には目がなく、フリーペーパーや雑誌でそんなバーやラウンジを見つけたら、すぐに行ってしまう。

まさにピアノが二人を結びつけたってところだ。

二人は再会して急接近。

交際が始まった。

真実の子供頃の夢が叶ったようだ(笑)

あのとき、珠利はバーで自分が作曲したメロディを弾いていた。

タイトルは『約束の恋の音色』

そして、そのころの思い出に浸りながら、今日も二人でピアノを弾いていたのだった。