そんな望に突き返した同窓生たちの言葉は

「朝霧はそいつと元々付き合いたかっただけじゃねーの」

「もし、君が朝霧と他人で、ファーストキス交わしたやつが親戚だったとしても結果は同じだと思うな」

「もうあれからずいぶん時が流れて大人になっているんだし、そんな昔のことこだわる必要もねーじゃん」

「朝霧だって男を選ぶときは親戚とか気にしないと思うよ」

「君に魅力が足りなかっただけじゃねーのかよ。自分が親戚であることにこだわってないで、悔しかったら、男を磨けよ」


そんな言葉を聞かされた。

望は男として小さいかもしれないが、どうしても涼夏のそれからのことがひっかかっていた。

確かにもう時間が過ぎてみんな大人になっている。

だけどそうやっていじめられた当時、涼夏は母親である美千代の前で

「玉の輿にのる、イケメンの彼氏にする」

など一流の恋人が欲しいと口にした。

たかが小学生のもめごとのはずだったが、美千代は一流の結婚を語る涼夏に説教をした。

美千代にしてみれば、一流の男と見合いでも出来る立場になればいいが、もし立場が違う見合いを頼んだりしたらどうしようと心配になった。

そして、中学になっても高校になっても大学になっても社会人になっても説教は続いた。

涼夏は同級生を見返すために素敵な彼氏が欲しいと口にしただけだった。

そうやって説教ばかりされるといじめ忘れることはできなかった。

それによって、トラウマとして残り、呪縛から解放されなかった。

美千代は涼夏の気持ちを把握しないで心配だけが先走って説教したから、歯車が狂いだした。

同級生たちなんて自分の言ったことなんて忘れてるハズなのに美千代に説教されるたびに“今もあいつらも私が彼氏できないことをあざ笑ってる”と妄想するようになった。

そして最近になってから同級生の言葉の一件を美千代と話し合った。

「ごめんね。お母さん知らなかった。涼夏がそんな気持ちだったなんて」

だけど、すでに遅かったと涼夏は思った。