善はひとあし早くホテルに戻った。

珠利は望の気持ちに前々から感づいていた。

望が涼夏のことをひとりの女性として想っていることを。

今日だって、涼夏と恋人で涼夏が勤めるソープの店次長・田巻(たまき)とどうやって別れさそうかもくろんでいた。

善はもちろん涼夏がソープで働いてることは知らない。

だけど、涼夏が変な男と付き合ってるみたいなことを望は善に話した。

そんな姿にヤレヤレと思った珠利だが、何も望は田巻が立派な彼氏だったら涼夏と別れてほしいと思わない。

世間一般で考えてみても彼女が体売ってそれを応援するなんて、誰がそんな仲を賛成するだろうか。

たしかに望はいつか涼夏を自分のモノにする願いも捨ててないが(笑)

そんな望の気持ちすべて見透かした珠利は今度は望の恋の相談を受けることになった。

ひとまず、二人でバーで飲むことにした。

「ねえ、未成年がバーに入ってお酒飲んでいいわけ」

笑い話みたいに珠利は言う。

「堅いことはナシですよ」

ビールを口に入れる。


「そういえば、望くんは大学とか決めたの?」

珠利はいきなり、進路の話を切り出す。

そして、一息ついて望は重大宣言をするかのように

「俺さ、高校卒業したら、ホストになろうと思うんだ!!」

珠利に打ち明けた。

「ええっ!!」

珠利は驚いた。

「そんなにびっくりしなくてもいいじゃないですか」

「だって…。あのさ、進路についてはもう少し考えた方がいいんじゃない。もしかして、あのことが原因??」

「あのことだけじゃないですけど、一番はやっぱり俺だって男です…」



あのことというのは…。