好きって言ったら、どうする?

▼勇side▼









(………まただ。)










───また、この感覚。








俺は店の暖簾を中に入れた後


自分のモヤモヤする胸を掴んで
この感覚に苦しむ。








……そしてまた、自己嫌悪。










(…あの言い方は不自然だったよな…。)









俺は先ほどの自分の態度を思い出し

そう考えながら
はぁ…とため息を吐いた。






……柑奈、気にしてんじゃねェかな。










(前にもこんな風にして当たった時
あいつ気にしてたしな…。)









そんなことを思って

俺はあの日───遊園地に行った日の
あの出来事を思い出す。







……あの時も、あいつに会ったんだよな。









(………ガキかよ、20歳にもなって。)










相手は柑奈と同じ高校生───






自分がこんなことを思うなんて
大人気ないような気がして


俺は暖簾を事務室の方へ片付けながら

その場に腰を屈めた。