好きって言ったら、どうする?










「そういえば、今何見てたの?」

「えっ。…あ、いや、その…っ。」

「……ん?浴衣の髪型?」













そんな私を見下ろしながら

要くんはそう尋ねてくると、






私が片手に持っていた携帯に
顔を近づけて


画面を覗き込んできた。









そしてそれを見てから

私の方へ顔を向ける。













「あ、もしかして24日の花火大会の?」

「…う、うん。」

「北澤も行くんだ。
俺も友達と行くよコレ。」













楽しみだよねー、と笑いながら
私にそう言って



それから自然に また尋ねてくる。













「北澤は誰と行くの?」

「え?…え、えっと………。」













(誰と……、何て言えば良いんだろう。
勇さんを友達って言うのは何だか違うし……。)











かと言って好きな人って言うのは
何だか恥ずかしくて 言いづらい。






知り合いと行くって言うのも
何だか不自然だよね…。









そんな風に考えて口籠っていると



それを見ていた要くんが
不意に、思いついたような声で

私に言った。













「あ、もしかしてこの前のお兄さん?」

「っ、え?!あ…いや、えっと……。」

「あ、図星でしょ!
あはは、北澤分かりやすいなぁ。」













図星を突かれて明らかに動揺した私に

要くんが声をあげて笑う。









嘘をつけず分かりやすい自分が
本当に恥ずかしい…。