そして学校が終わって
私はそのまま塾へと向かって
携帯を片手に外を歩く。
今朝、カナと当日の服装のことで
『髪型』をどうするのか
いろいろ話し合ったこともあって
今もそれについて
写真を見ながら考えていた。
(私そんなに器用じゃないからなぁ…。
簡単にできて、可愛いのないかな…。)
簡単にお団子スタイルでも
良い気がするんだけど
それじゃ物足りなくない?って
カナに言われたし…。
私はそんなことを悶々と考えながら
携帯とにらめっこして
うーん、と悩み込む。
すると突然
トントン、と
後ろから肩を叩かれた。
「っ?!」
私はそれに思わず驚いて
ビクッ──!と肩を揺らす。
すると
それを見た後ろの人物が
可笑しそうにクスクスと笑って、
私の隣に並んで立った。
「あはは、ごめん驚かせたね。」
「え……か、要くん…?」
その隣の彼を見上げると
見覚えのある制服に
笑顔を浮かべた彼の姿が目に入って
私はまた驚いて 目を丸くした。
「北澤も今日授業あるの?」
「え?う、うん…。」
「そうなんだ。俺も今日あるんだよね。」
教室一緒かもね、と
自然に話しかけられて
私は少し戸惑う。
…今までそんなに話したことなかったのに
こんな普通に話しかけてくれるんだ…。
(要くんって本当にすごい人だなぁ…。)
人見知りの私には
到底真似できないことだと思いながら
私はそんな要くんを見上げる。

