好きって言ったら、どうする?













「浴衣?浴衣で行くの?」

「うん。勇さんも浴衣着てくるから。」

「おぉ〜!気合い入ってるねあっちも!」

「バイト先の店長さんからもらったんだって。」












だからそれ着るみたい、と
私がカナに言うと



カナは「へぇ〜」と相槌を打ちながら


私の席の前の椅子に座る。












「そういえばその花火大会ってさ、開催する場所の近くに海あるよね。」

「…あ〜、確かにあるね。」

「一緒にそこ行っちゃえば?
何か夜の海ってロマンチックじゃん!」












キラキラした目を向けて

私にそう提案してくるカナ。







私はそれに対して
ブンブンと頭を振る。












「私あそこまでの行き方知らないし…。」

「そんなの調べて一緒に行けばいいじゃん。花火見るのに穴場スポットじゃない?」












(…確かに……。)












当日、きっと屋台のあるあの周辺は
大勢の人で混み合うはず。






そこで見るのももちろん良いけど


海辺でゆっくり見るのも
アリかもしれない……。










私はそんな風に考えながら


当日の自分達を想像して
無意識に頬を緩める。











(勇さんの浴衣姿……
きっとすごくかっこいいんだろうなぁ…。)












そんなことを考えている私を見て


カナは楽しそうに笑みを浮かべて
「頑張って!」と私の肩を叩いた。













(今日塾だし、その休み時間に
ちょっと行き方調べてみようかな…。)











私はそんなことを考えながら



カナと当日の格好や持ち物について
また話し始めた───。