(ちゃんと紹介するべきだったかな…っ。
それとももっと早く帰ってくるべきだった…?)
どうしようどうしよう、と
内心慌てて解決策を考えるけど
その間にも 勇さんはスタスタと進んで行ってしまう。
私はそれにも小走りでついて行っては
まだ悩んでの繰り返しだった。
「…………勇さん!
あ、あの…すみませんでした…っ。」
「……え。」
「要くんと話しすぎちゃってましたよね。ちゃんと紹介もしないですみませんでした……。」
そしてとうとう
申し訳なさが溢れ出して
彼を呼び止めて謝る私。
ごめんなさい、と頭を下げると
勇さんは少し慌てたように
私に顔を上げるように言った。
「いや、何で謝んの。」
「え……だってその、失礼だったかなと思って…。」
「いや全然気にしてねぇし。
別に謝んなくていいよ。」
「でも、勇さん怒ってましたよね…?」
「は?俺が柑奈に?」
私がそう尋ねると
勇さんは少し眉間にしわを寄せて
意味がわからないとでも言いたそうに
私の言葉を聞き返す。
それに私が頷くと
勇さんは少し黙って考えて
少し経ってから
「…あ〜…。」と、
何か心当たりを見つけたような声を上げた。

