先ほど話していた通り、隣同士の馬に乗る。
「柑奈、こっち向いて。」
「え?」
───カシャッ
不意に
名前を呼ばれて
勇さんの方へ振り向けば
携帯を構えていた勇さんに
腑抜けた顔のまま写真を撮られた。
私は慌てて勇さんに向かって声を上げる。
「ちょ、消してください!」
「消さない。」
「変な顔してますもんそれ!絶対!」
「別に?全然普通。」
クスッと笑いながら
私の抗議を却下する勇さん。
あんな顔が勇さんの携帯に残るなんて
そんな悲しいことある…!?
「まもなく動き出しま〜す!
しっかりお掴まりくださいませ〜!」
そんな風に思っている間に
メリーゴーランドが動き出してしまい、
勇さんの携帯を奪うことはならず。
私は少し凹みながらも
隣でどこか満足そうに写真を見て
携帯をしまう勇さんを眺めた。
(……後でちゃんとした写真撮ろう…。)
仕方ない、と
そこでリベンジすることを心に決めて
私は素直にメリーゴーランドを楽しみ始めた。
小さい頃からずっと乗ってきてるけど
何だか…今日が1番楽しいかも。
(それに─────)
私はまた、横にいる勇さんを
チラッと盗み見して思う。

