(っ……え……。)
いつもの少しクールな彼から
まさかそんな言葉が出ると思わなくて
私はそんな彼を見上げながら
キュウッ---と
胸を掴まれたような感じがした。
……勇さん、もしかして…
「ずっと会えなくて…寂しかったですか?」
「っ……。」
私が勇さんにそう尋ねると
彼は一瞬ギクッと肩を揺らしてから
フイッと顔を逸らして
「…別に。」と
素っ気なく言葉を返してきた。
けれど耳が少しだけ赤くなっていて
私はそれを見ながら
また小さく笑みを浮かべる。
…本当、素直じゃないなぁ。
「ふふっ。」
「…笑うな。」
「ふふ、嫌です。」
「っ…たく…柑奈のくせに生意気なんだよ。」
私がそう言うと
勇さんは照れ隠しにそう返してきて
繋いでる手を自分の方に引っ張り
私の体を…自分の方へと引き寄せた。
そして再び───私に口付けを落とす。
「ん……っ。」
「……お前はどうなんだよ。
少しも寂しくなかったわけ?」
すぐに離れた彼の唇から
そう私に言葉が向けられて
私は目の前の彼の目を見つめながら
小さく微笑んだ。
「…寂しかったですよ。
ずっと……会いたかったに決まってます。」
私がそう言って彼に笑みを向けると
勇さんも満足そうに笑みを浮かべて、
再び私の頬にキスをする。
そうしてからまた前へ向き直して
今度は仲良く…2人で隣同士歩いた。

