(………あ…。)
そして私は外に出て
ちょうど登り始めていた朝日を見ながら
そのすぐ側に見えた海を見る。
……綺麗…。
(もっと近くで見たいなぁ…。)
私はふとそう思って
気づいた時には…自然と、堤防の方へと
足を進めていた。
少し歩いた先にある堤防は
海が間近に見えて
そしてそこから…
いつかに行った
あの花火大会の海辺が 遠くに見える。
私はその堤防に近づいていき
そして着いた後
そこに登って、海を眺めながら座った。
……風が少し吹いていて 涼しい。
(………本当、綺麗……。)
私はそこから見える海を眺めながら
黙って、静かにその美しさに
感動していた。
心が、落ち着く。
(真冬に海なんて……季節感ないけど…)
それでもそんなのは、関係ない。
私がそう思いながら
静かにその場に座っていると
不意に──────
背後で誰かが、立ち止まる音。
私はそれに気づいて
ゆっくりと……振り返った。

