「っ!!」
──────パチッ!と
私はそこでようやく目を覚ました。
周りを見渡すと、
そこは実家にある私の部屋で
ここがちゃんと、現実であることを示している。
私は乱れた髪の毛をかき上げながら
ゆっくり…ベッドを降りた。
……なんて夢を見てるんだろう。
(…まさか……勇さんが出てくるなんて…)
────まるで、半年前の繰り返しだ。
私はそう思いながら部屋を出て
洗面所に向かって、そこで顔を洗った。
……勇さんに何も言わずに街を出て
それから半年くらいの間
嫌という程に 夢に勇さんが出てきていた。
…まるで、自分を戒めるように。
しかしそれからしばらく出てこなくなっていたのに
何で……こんな時に限って見てしまうんだろう。
(……昨日、会っちゃったからかな…。)
私はそんなことを考えながら
顔を拭いて
そしてそのまま
髪を軽くセットして部屋に戻り、
近くに置いてあったワンピースと
適当な上着を着て
気分転換に、朝の散歩に出かけた。
……この夢は……早く忘れなきゃ……。
(勇さんに、あんなこと言われる夢なんて…)
私はそう思いながら
適当に靴を履いて
そしてそのまま────家を出た。

