(わ、わぁぁあ……言ってしまった…!!)
勇さんのその顔を見て
私はあまりの羞恥に 顔を伏せる。
心臓が 痛いほどにバクバク鳴っていて
正直……あまりの緊張に 今にも倒れそうだった。
黙ったまま何も言わない勇さんに
私は不思議に思ってゆっくりと 顔を上げる。
(────!?)
するとなんと
目の前にいる勇さんが
先ほどまでの威圧感はどこへ行ったのか、
優しく口角を上げながら…私を見下ろしていた。
(な、な、な………っ?!)
そんな勇さんの態度に
私が目を丸くしながら困惑していれば
勇さんは口角を上げたまま
私の手から チケットを1枚 受け取る。
「お前、いつ空いてんの?」
「…え?」
「え?ってお前…。お互い空いてる日探さねぇと行けねぇだろ。」
「へ……あ、いや、そうなんですけど…あの……?」
顔を赤くしたまま困惑する私に
勇さんは口元に笑みを浮かべたまま
首を傾げて
確信犯な態度で 私に尋ねる。
「何だよ、一緒に行くって意味でくれたんじゃねェの?コレ。」
「───!!」
そう言った勇さんの言葉に
私は状況をやっと理解して
益々…顔に熱を集めた。
───これ夢?本当に現実?
目の前で私の顔を覗き込んでくる勇さんに
私は慌てて首を縦にブンブン振ると、
勇さんがそれを見て 小さく笑う。
「…で?いつ空いてんの。」
「え、えっと…土日なら、いつでも…。」
「じゃあ、今週の日曜。」
それでいいか?と
私の顔を覗き込みながら尋ねる勇さんに
私は再び首を縦にブンブン振ると、
勇さんがそれを見て「ん。」と返事をした。
「じゃあ 時間は後でな。」
勇さんはそう告げると
私の頭にポンッ、と軽く手を乗せてから
何事もなかったように事務室を出て行く。
取り残された私は
1人……自分の胸を押さえながら
その場にズルズルとへたり込んだ。
───心臓が、ドクンドクンとうるさい。
(……ど、どうしよう…っ。)
私今……人生で1番幸せかも。
そんなことを思いながら
私は少し経ってから事務室を出て
お店の片付けの手伝いに戻った。

