…要が俺に怒る理由も納得だ。
いつも俺は現状に甘えてばっかで
いつも……自分のことばっかりだった。
(…柑奈がどれだけ……我慢して傷ついてるかも、全然考えられてない…。)
俺はそんな自分の情けなさに
どうしようもない苦しさを感じて
謝っても謝りきれない程の
あいつへの罪悪感で一杯になる。
(………ごめん、柑奈……。)
こんなに情けない大人でごめん。
お前の気持ちに……何も気づいてやれてなかった。
「……年上のくせに……本当餓鬼…。」
俺は自分に呆れながら
体を起こして立ち上がると
そのまま歩いていた道を進んで
再び、家に向かう。
────それでも1番
あいつに…謝らないといけないのは
(……こんなに傷つけてもまだ……
お前を諦められないこと…だな…。)
それでもまだ
お前を好きでいる俺を
どうか……許してほしい。
俺はそう思いながら
静かに夜道を歩いて、
そのまま…家に帰った。
▲勇side END▲

