───そして結局。
「柑奈ちゃんありがとなぁ!
店の片付け手伝ってくれて助かるぜ!」
「あはは、いえいえ…。」
───閉店の時間に、なってしまった。
あれから何だかんだ忙しい時間に入ってしまい
勇さんを誘うことはできず。
こうしてズルズル残った結果こんな時間に…。
(勇さんに関して私って本当にヘタレすぎる……。)
私はお店の暖簾を事務室へ片付けながら
1人そんなことを思う。
遊園地の『ゆ』の字さえ言えてない自分に
我ながら…ため息しか出ない。
(普通に話すのは出来るのに、写真だって撮れるくらいになったのに……
デートはまだレベル高い、か…。)
自分のこの進歩の遅さを恨む。
……はぁ…。
───コンコンッ。
「!!」
そんな風に心の中でため息を吐いていれば
不意に───
背後で事務室の扉を指でノックする音が聞こえて、私は咄嗟に振り返る。
すると
開けっ放しのその扉に寄りかかりながら
こちらに目を向ける
勇さんが…
そこには立っていた。

