「明日から冬休みだねぇー!
ねぇ柑奈、一緒に旅行行こうよ!」

「ん?」









大学の講義が終わって、

疲れた体をぐーっと伸ばしていると




隣の席に座っていた友達が

不意に…私にそう提案してくる。







私はそれを聞いて
「あ…」と小さく声を漏らし


眉を下げて、彼女に謝った。









「ごめん、私今日から
実家の方に帰省するんだよね。」









私がそう言って苦笑いを向けると

彼女は「えー!」と声を上げて、
残念そうに眉を下げる。









「そんなぁ〜。
…でもそっかぁ、柑奈の地元ここじゃないんだったね。」

「うん。そうなんだ。」









ごめんね、と私が言うと

彼女は首を横に振って「気にしないで」と返してくれる。






私達はそんな話をしながら荷物をまとめて



退出していく人達と一緒に

講義室を そのまま出て行った。













──────大学1年の冬 12月21日









大学に入学して以来 初めて…






私は、実家に帰省する。