「今すぐ走って!!駅まで!!
そうじゃないと間に合わない!!」
「…は?何だよお前。」
俺にそう詰め寄りながら
外を指さして 声を荒げるそいつに
俺は訳が分からず
その場で眉を寄せた。
…何なんだよ。
「早く…っ、早く行けって!!」
「だから何なんだよ!」
「北澤が今日で地方行っちまうんだよ!!」
(──────え?)
ガッシャーンッ!!─────と
その言葉を耳にした瞬間
俺は手に持っていた皿を、床に落とした。
…そして
そう言って声を荒げるそいつを見ながら
静かに…目を見開く。
───今、何て言った?
「……は…?」
「っ…北澤はあんたに言えなかったんだ。
あんたがあの日……
他の女とキスなんかしてたから!!」
(──────っ。)
こいつの
そんな声が店中に響いて
俺はそれと同時に
目の前が真っ暗になるような
そんな感覚が────体を襲った。

