見覚えのないはずの後ろ姿の
その女に
俺は再度 変だと思いながら
ダン、ダン、と 階段を降りていく。
………何だ、この感じ。
(……何でこんなに)
あの後ろ姿を見てから
胸が騒ぐんだ───?
俺はそんな風に 不思議に思いながら
階段を降りて
ガラガラ---と、店に入ると
先に仕込みを始めていた店長が
少しギョッとした顔で 俺を見た。
「…おはようございます。」
「お、おう。
…おはよう、勇。」
(────?)
俺がそう挨拶をすると
店長は少し元気のない声で
そう返してきて
俺はそれにも違和感を覚えながら
仕事着の、エプロンを腰に巻く。
─────ドクン、ドクン…
(……まだ、朝のこと引きずってんのか…?)
夢のせいで、こんなに心臓が
嫌な鳴り方をするのかと
俺はそこにも妙な違和感を感じながら
店の開店準備を進めた。
─────俺はどうして
この時、あの女のことを
店長に尋ねなかったのだろうか。

