(っ……か、カナぁ〜〜!)
私はそんなカナの背中を見ながら
心の中でそう叫ぶ。
私にこんな大きな試練を与えるなんて…っ!
私はそう思いながら
自分の手元にある そのチケットを眺める。
ここの遊園地は結構知名度も高くて、
デートスポットとしても
よく紹介されているところだ。
(───勇さんと、遊園地デート。)
そんな言葉が 頭の中に飛び交う。
まさかそんな夢のような話が
こんな風に不意にやってくるなんて
今まで思いもしなかった。
カナの優しい配慮を無駄にするわけにはいかないよなぁ、と
私はそう思いながら
厨房にいる勇さんをチラッと見る。
するとその時
───パチッ、と
これがなんとまぁタイミング良く
勇さんと目が合ってしまった。
「……どうかしたか、柑奈?」
「へっ---。」
そう言いながら私の目の前までやってきた勇さんに
私は思わずピキーン!と体が固まる。
…い、いやあの!
1人で勇さんとデートする夢を想像してニヤけそうになってたわけじゃなくて…!!
(……って!
これって誘うチャンス……!)
そんな風に考えていた時、
頭でそんな思考が働いて
私はテンパりながらも 慌てて口を開いた。

