(よ、よかったーー!)
素直にそう喜んで
笑顔を浮かべる顔を頑張って普通に戻して
カナのもとへと戻る。
「おかえりー。
…あ、そうだ柑奈。これあげる。」
「?」
席に戻ると
ニコニコした顔を浮かべるカナが
私へあるものを差し出す。
私はそれを受け取ってよく見ると
それは…2人分のチケットだった。
「え、カナこれ……!」
「私からの小さなお祝い。
貰い物でごめんだけど、あげる。」
2人で行ってきな、と
カナは私にウインクをしてから
荷物を持って椅子から立ち上がる。
(え、これ……遊園地のチケット……。)
まさか
ふ、2人でこれに行けと……?!
私は無理だと思って
思わずカナに返そうとしたけど
カナは 予めそんな展開を予測していたかのように
すでにお店の入り口付近まで行っていて
勇さんに挨拶をしていた。
「ご馳走様でしたー!すごく美味しかったです。ありがとうございました!」
「どーいたしまして。」
会計のところで2人はそう言葉を交わすと
カナは私に1度振り返り
ニヤッとした笑みを浮かべながら
ヒラヒラと手を振った。
そしてそのまま…お店を出て行ってしまう。

