───何が起きた?
───私は一体、何を見たの?
混乱する頭が
認めたくないとばかりに
勝手に自問自答を始める。
しかし
それも少しすれば
ただの現実逃避だと…
嫌でも、自覚させられた。
───拭えない傷が 心をえぐる。
(…全部……終わっちゃった。)
全ては今日で
この時、この瞬間に
───完全に終わった。
誰に言われなくても
そんなことは───もう 分かっている。
──────だけどこんなのは
あまりにも…急すぎるよ。
「………北澤。」
不意に立ち止まり
私の方へ振り返る要くん。
連れてこられた場所は
賑わう大通りから外れた
人通りの少ない 1つ向こうの通り。
街灯が淡く照らす道の途中で
気づけば私は
優しいその腕に…抱きしめられていた。

