「ツリーの前でいいんだよね?」
「あ、うん。あってる。」
中へ進む途中
要くんにそう尋ねられて
私はそれに頷いて答える。
要くんは先ほどと同じように
私の手を掴んだ状態で
そのまま 奥へと歩き進めた。
「見て、あそこに時計台あるでしょ?」
「え?…あ、うん!」
「あそこのすぐ下に、毎年大きいツリーがあるんだ。」
要くんにそう言われ
顔を上げて 通りの奥を見ると
もう少し歩いた先に
大きい時計台が立っていて
私はそれを見て
「わぁ…!」と声を上げる。
────あそこに、いるんだ。
(っ……勇さん…!)
私はその時計台が
徐々に近づいてくると共に
心臓がバクバクと大きく鳴るのを感じて
その苦しさに、胸を押さえた。
────やっと
やっと、会える。彼に。
『あの日』のことを、ようやく────
私は、知ることができるんだ。
(…たとえどんな理由であったとしても…)
私は今日その彼に
───気持ちを、伝えるんだ。
私はそう思いながら
緊張してくる体を
小さく深呼吸しながら落ち着かせて
段々と近づいてくる時計台に
息を飲む。

