(勇さん、もう待ってる…かな。)
きっと着いてる頃だよね、と
私はそう思いながら
少し残念に思う。
今回は私が先に着くつもりだったのになぁ…。
(そんなこと言っても遅いか。)
今更仕方ない、と
私は気持ちを切り替えて
少し残念に思った気持ちを振り払う。
これから、勇さんに会えるだけでも十分だ!
「ここから仲通りだよ。」
「!」
そんなことを考えていると
不意に要くんが私の方に振り返り、
こちらへ そう言った。
そう言われて顔を見上げれば
そこには
仲通りの入り口らしく"仲通り"とかかれたアーチ看板が
堂々とした様子で立っているのが見える。
「わぁ……ありがとう要くん!
ここまで来れば大丈夫!」
私はとうとう到着したそこに
少し感動しながら
要くんにそう言うと、
要くんは淡く微笑みながら
私を見下ろした。
「要くんのおかげで迷わず来れた。ありがとう。」
「いえいえ。俺は全然。」
通り道だしね、と
要くんは相変わらずの優しい言葉で
私にその笑顔を向ける。
(…やっと…会えるんだ…。)
またしばらく会えなかった彼に
ここを通れば
勇さんに───会える。
私はそう思った瞬間に
心臓がドクンドクン---と、大きく脈立つのを感じて
思わず、小さく息を飲んだ。
「…じゃあ、行ってくるね。」
私は要くんの方へ顔を向け
彼を見上げながらそう言うと、
そのまま
商店街の中へ進んでいこうとした。
────しかし。
「!」
───不意に
要くんに腕を掴まれて
私はそれを制止させられる。
………?
私はそれに少し驚いて
後ろへ振り返って、彼を見た。

