(────あいつ)
俺が『好きだ』なんて言ったら
どんな顔すんだろ。
俺はそう思いながら
目の前の
自分の白い息を見た。
…やっぱり驚くんだろうか。
それとも、店長みたいに
実は気づいてた…とか
……いや、鈍感な柑奈にそれはないか。
(………なんて 言われんだろ。)
両思いの確証なんて元からない。
祭りもキスも
俺が一方的にしたこと。
あいつからのアプローチは
特に……ない気がする。
(遊園地だって、たまたま俺がその場にいたからだろうし。)
つか、思えば
何となく無理やり言わせた感じもあったよなアレ。
……本当はあの要とかいう友達誘うつもりだったかもしんねェし。
俺はそう思いながら
小さく息を吐く。
(………でも…)
それでもいい。
あいつが俺を好きじゃなくても。
それでも俺が───
柑奈を、好きだから。
俺があいつに気持ちを告げる理由は
それだけで、十分。

