「───おはよ北澤!」
「?!」
ビク───ッ!!
と
そんな時不意に聞こえた声に
私は思わず心臓が止まりそうになった。
…これで何度目のデジャヴだろう。
しかもいつも 相手が同じという…。
「か、要くん驚かさないでよぉ…っ。」
「ぷっ、くくっ……!
俺は別に普通なんだけどなぁ。」
私の言葉に
要くんはクスクス笑いながらそう言い、
いつものように 私の隣を歩き始めた。
要くんが来るタイミングはいつも
私が考え事してる時なんだよなぁ……。
(だからいつも驚いちゃうんだけど…。)
「今日はとうとうクリスマスだね。
朝からカップルだらけだよ。」
「あはは、そうだね。」
「北澤は今日どこか行く?塾の後。」
要くんにそう聞かれて
私は一瞬ビクッとなりながらも
正直に頷く。
要くんはもう
勇さんのことを知っているから
今更、隠す必要はない。
「うん、一応……。」
「そうだろうと思った。
可愛いもん、今日の北澤。」
「っ、え?!」
(───?!)
私は要くんの率直な言葉に
慌てふためいて
顔に 熱を集中させた。