好きって言ったら、どうする?

▼勇side▼










「彼女さんへプレゼントですかぁ?
それでしたらこちらのデザインは---」

「こちらのデザインも人気ですよぉ。
彼女さんのイメージを教えてもらえれば近いものお探ししますので〜。」

「------。」












─────23日。








イブの前日というのもあってか

街はプレゼントを求めた人で大賑わいだ。







その1人である俺も


こうしてネックレスを求めてアクセサリーショップに来たのは良いが───












「こちらなんていかがですかぁ?
今期の新作なんですよぉ。」

「色違いもあって、お揃いで買ってく方も多いんですぅ。」











(-------。)












─────店員の、押しが強い。










ゆっくりどれにしようか悩む暇なく
店員に即座に捕まった。






この時期に男がここに来るなんて
目的はだいたい1つ。





それを察して女全般にうけるデザインものが数多く置かれている。






そしてそのどれもが、万を超える良い値段なもの。







それを、店員は勧めてくるのだ。











「それとこちらは当店の人気ナンバーワンの商品で、なんと指輪とお揃いにも出来ちゃうんですぅ。」

「違うデザインもご用意してるので
ぜひご覧くださぁい。」

「あぁ、どうも……。」











俺は話しかけてくる店員に
軽くそう返しながら

半分聞き流して、商品を見る。








チラッと周りを見れば

店内にいる客も大半は男で




みんな店員に捕まり
同じような状態に陥っていた。







中には言われるがまま買っている人もちらほら。










───なんせ、押しが強い。