────そして更に数時間後
外はもう夜であたりも暗くなっていた。
そろそろお開きにしようと
俺が立ち上がって片付け始めると
金田や柑奈も 率先してそれを手伝ってくれる。
野郎どもは 店長を含め結構酒を飲んでいたため
軽くうたた寝を始めていて
仕方なくその3人で 片付けを進めた。
ったく、あいつらただの食いっぱだな…。
「悪いな2人とも 片付け手伝わして。」
「ええんよ全然。
むしろ進藤くんも休んでたらええのに!
今日の主役やろ!」
「いや、準備やってもらったし
片付けくらいはやんねぇと。」
そう話しながら
金田と2人で洗い物をする。
柑奈は店内の装飾の片付けをしていて
椅子とかを使って
壁の飾りを外しながら
俺らが飲んでたお酒の瓶なんかを
こっちに運んでいた。
「………っ、痛っ…!」
「!」
そんな時
不意に柑奈がそう声を上げて
パッと 自分の手を引っ込めたのが見える。
おそらく、画鋲か何かが刺さったんだろう。
俺はその声を聞いて
すかさず柑奈の方へ行こうとした。
───しかし
「きゃっ!!」
ガッシャーーンッ!!と
俺が移動しようとしたと同時に
金田が床に1枚、皿を落とす。
そして 慌てて金田がその破片を拾い始めた。
「ご、ごめ───っ、痛っ!」
「金田?」
そして拾っている途中で
金田も同じように そう声を上げて
手をパシッと引っ込める。
それを見ていた俺は
すかさず側にかがんで
金田の指を看た。
破片で切ったのか 血が出ていて
俺は救急箱を持ってきて
金田の指を消毒し、手当てをする。
「ごめん、ドジしてしまったわ…っ。」
「気にすんな。
ここは俺がやるから、柑奈んとこ手伝ってきて。」
俺がそう言うと
金田は「ありがとう、ごめんな。」と
俺に言って
厨房から出て 柑奈の手伝いに向かった。
俺は掃除道具を取り出して
慣れた手つきで割れた皿の処理をする。
そしてそれが終わってから
皿洗いの片付けに戻って
それも軽く すぐに終わらせた。

