そう思いながら
柑奈から渡された包みを見る。
……気抜いたらマジでニヤけそう。
「よしっ!じゃあちょい待ってて!」
「?」
そんなことを考えていれば
金田がそう言って立ち上がって
厨房の方へと向かっていく。
次は何だと思いながら
金田の行った先を見つめていると
冷蔵庫から何かを取り出した金田が
それを持って、席へと戻ってきた。
それを見て
男達は思わず「おぉ!」と声を上げる。
「やっぱ誕生会ゆーたらケーキやろ〜!
21歳おめでとう進藤くん!」
そう言ってテーブルに置かれたのは
『祝21歳』と書かれたショートケーキ。
さすがにもう
ロウソクを吹くくだりはしないが
それが運ばれてきたと同時に
拍手が起こった。
「ひゅー!やるな金田ー!」
「これ金田が用意してくれたんだぞ勇!」
そう言いながら
俺の方に手を置く男らの言葉に
俺が顔を上げて金田を見ると
はは、と照れたように笑いながら
俺の方を見る金田と目が合う。
…へぇ、金田が用意してくれたのか……。
「ありがとな、金田。」
「どういたしましてっ。」
俺がそう言うと
金田は笑顔でそう返して
俺に、ケーキを差し出す。
「………っ…。」
───そんな俺たちの様子を見ながら
柑奈が 小さく息を飲んだことに
俺は…気づかなかった。

