「進藤くん、店長さんが呼んでるで。
あともう料理も出来てるよ。」
せやから 早よ出ておいで、と
扉越しに声をかけてきたのは
愛理さんで
勇さんはそれを聞くと
「分かった。」と静かに彼女に返事をした。
「………じゃあ、この話は後で。」
「は、はい…分かりました。」
そして勇さんはそう言うと
事務室の扉を開けて
厨房へと出て行く。
私もその後を追って
厨房から客席に戻ると
出来上がった料理を運んでいる
愛理さんを手伝った。
……正直、何を言われるかと怖くて
愛理さんが来て、ホッとした。
………知りたいようで、知りたくない。
(モヤモヤは残ってるけど……
…"結果"を聞いたら何かが変わってしまうのは絶対だから)
だから………怖い。
そう思いながら
愛理さんを手伝っていると
すぐに料理は 全て運び終わった。
もうそろそろ誕生会が始まるんだな、と
店内の様子を見ながら
思っていれば
不意に───
愛理さんから
私へ 話しかけられる。
「柑奈ちゃん、一緒にトイレ行かへん?」
「え?」
「化粧直ししたいねん。
そのついでに喋べらへん?」
1人でトイレおってもつまらんやん、と
ニコッと笑顔を向けられながら
そう言われた。
私は断る理由もなく
それに
「は、はい。」と、頷いて返事をすると
愛理さんは
更にニコッと笑顔を浮かべて
私を連れて、トイレへ向かった。
────少しだけ
その時に
何だか嫌な予感が、した気がした。

