「夜中に制服で彷徨いてっから、俺が保護してやったんだよ。」
「ほ、保護って…。」
「寝床貸してやったんだ、保護だろ。」
勇さんは厨房で皿洗いを再開させながら
私にそう言った。
その言葉に
「まぁ、そうですけど…。」と
私が口籠っていると
これまでの会話を聞いていた愛理さんが
少し目を見開き、
驚いた表情を浮かべながら
私の方に 視線を向ける。
そして同時に 私に尋ねた。
「…泊まったん?進藤くん家。」
「あ……はい。
勇さんが来れば?って言ってくれて…。」
お言葉に甘えさせてもらって…、と
私は愛理さんに答える。
しかし私はそこでハッとして
目の前の愛理さんを見た。
───もし、愛理さんが勇さんの彼女だったら
こんな話を聞いて 気分が良いわけない。
……まずかった、かも。
(でも逆に隠しておくのも余計に仲が……
いや、でも私が黙ってれば知られることも無かったんじゃ……。)
なんて
私は内心焦りながら
2人の様子を黙って伺う。
そして
愛理さんは私の答えを聞いて
少し黙ってから
「そうなんや。」と
小さな声で 呟くように零した。
その表情は
何となく───ショックを受けているようにも見えて
私はさらに焦りを増す。
────やっぱり、傷ついてる。
私はそれを察して
何とかそれを和らげようと
声をかけようとするも
その時にちょうどタイミング良く
店長が お店の中へと入ってきた。
「おぉ柑奈ちゃん!それに金田さんももう来てたのか!」
「あ…店長さん こんにちは。」
「お邪魔してますー。」
店長に挨拶をすると
愛理さんは準備を始めるために
テーブルの方へと移動してしまい
私は声をかけるタイミングを失う。
仕方なく 私はそれ以上何も言わず
店長さんの仕事の手伝いをしながら
誕生会のセッティングをしていった。

