「………何ニヤけてんだよ…。」
「ふふ、勇さんの気持ちが嬉しいんです。」
勇さんに横目で見られながら
そう言われて
私はもう我慢できずに 笑みをこぼす。
そんな私を見て、勇さんはさらに
その照れ隠しをするように
私の頭を わしゃわしゃと撫でてきた。
「わわっ!」
「ったく、笑ってんじゃねぇよ。」
そう言いながら勇さんは手を離すと
座っていたカウンターの席から腰を上げて
厨房の方へと戻ろうとする。
恥ずかしいのかな?、と
再び私が笑みを浮かべていると
そんな時不意に───
ガラガラ---、とお店の扉が開いて
私たちはそちらに 視線を向けた。
───すると
「───!!」
開いた扉の先に
立っていたのは 女の人で
「…あ、れ……??誰…その子……?」
入ってきたその女性は
私を見ながら
驚いたように目を大きく開いている。
私はそんな彼女を見て
同じように、目を見開いた。
………遠くから、1度見ただけだけど……
(…この人……あの時、勇さんといた人…。)
───あの日、彼と2人で一緒にいた、あの人だ。

