─────ドキッ
視線が重なって
思わず心臓が大きく高鳴る。
2カ月ぶりに
正面から目を合わせた彼は
以前よりも少しだけ
黒髪が伸びたように見えた。
……どうしよう……
(緊張で体が固まる……っ。)
そう思いながら
私は1度、クルッと後ろに振り向くも
そこにはもうカナの姿はなくて、
私は逃げ場を失ったように
勇さんの方へと…静かに向き直った。
─────こ、怖い………っ。
「…っ……。」
「…………よぉ、久しぶり。」
私がそんな風に
気まずい空間を予想して
身構えていると
そう言って話かけてきた勇さんは
いたって平然としていて
私を見ながらも
特に動揺する様子がなかった。
私はそんな彼を見て
思わず、目を丸くする。
(…あれ…………?)
もしかして、緊張してるの…
私、だけ…………?

