好きって言ったら、どうする?









(こんなことなら夏休み中に聞いておけば………いや、私にはそんな勇気なかったな……。)











ヘタレな自分がそんなこと出来るはずないのを自覚して


私は再度 はぁ…、と思い溜息を吐きながら
下駄箱で靴を履き替える。











………そういえば、この前見た女の人のことも、まだ解決してないんだよなぁ…。










(………あれ……そう考えると今日結構ヤバいんじゃ……。)












行ったらもしかすると



『キスとか覚えてない。』とか


『実は彼女できた。』とか
言われる可能性があるってことだよね?











…………。












「ど、どうしようカナ。お腹痛くなってきたよぉ…っ。」

「もう、気負いすぎだって!
ポジティブにいこ!!」











きっと大丈夫だから、ね?

と、カナが私の背中をさすりながら
優しく励ましてくれる。









うぅ……こ、怖いよぉ……。












「お店の前まで送ってあげるから。
ほら頑張って!」

「カナぁ……ありがとうぅ……。」











行く前にあらゆる危機を想定して
すでにダメージを受けている私を



カナが優しく先導しながら

お店までついてきてくれた。










そして







お店の前までやってきて


私はさらに、見えないプレッシャーを感じる。











「……て、手が震える……!」

「緊張しすぎ!
ほらバシッと!バシッと開けちゃいな!」











扉の前でヘタレを発揮していると

後ろでカナが私にそう言った。







私はそれに頷きながら


すぅーー……、と深呼吸をする。











────い、いざ!











そう覚悟を決めて


ガラガラ…!と、まだ開店準備中の
お店の扉を開ける。












────すると











「………!」

「………!」










厨房で


お店の準備をしている勇さんと

2カ月ぶりに───視線が重なった。