「っ………あ…。」
そして要くんは
そう小さく声を漏らすと
少し目を見開いてから
すぐに、私の方へ振り返る。
(…………勇、さん……と……誰……?)
私は
止まって動かない自分の視線の先で
仲良さそうな様子で
楽しそうに会話をする 2人を見つめた。
……知らない、女の人。
それも勇さんと同い年くらいの
大人っぽくて綺麗な…美人さん。
細くてスタイルも良くて
来ている服もオシャレな
ショートカットの、女性だった。
──────その彼女に
向かい合うように立っているのは
間違えようのない
あの……勇さん。
(………勇さんが、笑ってる。)
あの、クールであまり表情を変えない彼が
彼女の前で
私にも見せてくれるような
優しい微笑みを───彼女に向けている。
「っ………北澤、帰ろう!」
「……!」
その現場から
足を動かせなかった私を
要くんは私の腕を掴んで
その場から引き離してくれた。
私は要くんに引っ張られるようにして
その場から
静かに離れた────。

